祇園喫茶Rinken

京都祇園、八坂神社から徒歩3分のカフェ。サイフォン珈琲とハンバーグ、そして世界のビールをご提供します

雛飾り

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あっという間に三月になりました。

まだまだ寒いですがお体の具合はいかがですか?

 

さて三月三日といえば雛祭り。
今日は雛飾りについて書いてみます。
ちなみにこの写真は京都ホテルオークラの七段雛飾りです。

 女の子のいる家では毎年この時期には雛人形が飾られていると思います。
店主にも妹がいましたので毎年雛人形が飾られていました。

こちらの写真はブライトンホテルの雛飾り。

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旧家や大きな家では七段を飾っているところがありますが、一般的には五段が多いかと思います。

さてこのひな壇の一番上がお内裏様とお雛様。
ちなみに二人の座る位置は京都(関西)と関東では逆です。
日本古来から、左は右より格が高いとされていて、お内裏様はお雛様の左、つまり向かって右に座ります。
よって京都では、古来の慣わしに従ってお内裏様が向かって右側に座っています。

現在関東の一般的なひな壇では、向かって左にお殿さまがお座りになっています。
なぜかというと明治時代、西洋の流れを受けて国際儀礼である「右が上位」の考え方が取り入れられるようになりました。
大正天皇が即位の礼で、洋装の天皇陛下が西洋のスタイルで皇后陛下の右に立たれた事からこの風習が広まったとされています。
明治天皇の時代から皇居は東京に移っていますので関東を中心にこのご即位時のスタイルが定番となっていきました。

二段目が三人官女。
三段目は五人囃子。
四段目は随身と呼ばれる右大臣、左大臣。
五段目は仕丁、こちらは通常は三人組の従者です。

さて、この三人官女ですが、こちらは宮中に仕える官女を表しています。
ではなぜ三人なのか皆様ご存知でしょうか?

実は三人なのには意味があります。
向かって右の女官は長柄銚子を手に持ち口を閉じています。
これは『おしゃべりをしない』という女性(妻)のたしなみを表しています。

左の加えの銚子を手に持った女官はよく見ると口をかすかに開けて笑っています。
これは『笑顔を絶やさないように』という教えを表しています。

そして三方を掲げている中央の女性はよく見ると眉がなく、お歯黒をしています。
こちらだけ既婚で『末永くよくお仕えする』という教えを表しています。

とまぁそんなわけで、ちょっと興味を持ったので調べてみました。
ちなみに4月3日の旧の上巳の節句まで、田中源太郎翁旧邸の楽々荘さんの玄関には、岩倉具視卿の次女さまに誂えられた丸平の七段飾りを飾っているそうです。
こちらも要チェックですね!